こんにちは!磯瑞ひよりです。
「奨学金の支払いが地味にツラいけど、手続きが面倒そうだし払えなくもないからこのままでいいかな…」
「なんとか返還猶予制度を利用してみたいけど、申請方法がイマイチわからない…」
わかります。
しかし筆者もそうして後回しにし続けた結果、どんどん生活が苦しくなった経験がございます…
ようやく手続きしてみたら経済的に安心感があるだけでなく、精神的にも余裕が生まれて
「もっと早くやればよかった!!」
と心から思っています。
今回はそんなややこしそうな奨学金の返還猶予手続きについて、抵抗感なく進められるようにわかりやすくご案内いたします!
奨学金の返還猶予と減額返還について制度詳細はこちら↓
前提:申請前の確認事項
状況によっては、必要な書類を揃えるのに時間がかかるものもあります。
スムーズに準備を進めていけるように、事前にきちんと確認しておきましょう。
無断での延滞が無いか確認する
残高が不足していて引き落としができていない、ということは無いでしょうか?
日本学生支援機構では「リレー口座」という表現をしている引き落とし用の口座にお金が入っていないと、自動で返還ができません。
「たまたまお金を入れておくのを忘れていた」
という場合もありますが、何回も無断で「引き落としできない=延滞」の状態にしてしまっていると、そもそも返還猶予を認めてもらえなくなってしまいます。
リレー口座の通帳の入出金明細、もしくはスカラネット・パーソナルで返還状況を確認して、無断での延滞が無いかを確認しましょう。
万が一意図せず延滞という形になっていたら、必ず日本学生支援機構へ連絡して、誠実な対応をすることを心がけましょう。
連絡する場合はこちら↓ ※日本学生支援機構の公式サイトが開きます。
返還猶予の条件を満たしているか確認する
返還猶予を認めてもらうには、相応の事由と、事由ごとの条件を満たしている必要があります。
例えば経済困難の事由であれば、「年間収入金額300万円以下」と明示されています↓
本記事では経済困難事由での申請をする前提で進めていきますが、それ以外でも産育休や傷病など様々な事由が認められています。
詳しく確認したい場合はこちらを参照してください。
事由に合わせた添付書類を用意しておく
自分がどの事由で申請するか決めたら、必要な書類を用意します。
傷病であれば医師の診断書や、産育休であれば休業証明書など、自分だけでは用意できないものもあります。
書類によっては発行までに時間がかかりますので、必ずあらかじめ確認しておきましょう。
経済困難事由であれば、次の項で具体的に解説しておりますのでご確認ください。
実践:収入が少ない場合での初回申請(経済困難事由)
ここからは画像を使用して具体的に手順を解説していきます。
初回申請のみ用意するものが多いので、この記事を見ながら準備を進めましょう。
マイナンバーの提出をする
経済困難の事由で返還猶予を申請する場合は、証明書と申請書を日本学生支援機構へ郵送します。
証明書は所得がわかるもので以下のように指定がありますが、
※(1)~(3)については、マイナンバーの提出により証明書の提出を省略できます。
と但し書きが入っています。
つまりマイナンバーさえ提出してしまえば、翌年以降は「猶予願(申請書)」を郵送するだけで返還猶予を申請することができます。
まだ提出していない場合は初回のみマイナンバー提出の手間が増えますが、翌年以降も返還猶予を申請したい場合は手続きが非常に楽になりますので、ぜひ提出しておきましょう。
マイナンバー提出用の書式はこちら→マイナンバー提出書
返還猶予の申請書はこちら→猶予願
※日本学生支援機構の公式書式が開きます
マイナンバーの提出方法
日本学生支援機構へマイナンバーを提出するには、
- 「マイナンバー(個人番号)提出書」
- 番号確認書類(コピー)
- 身元確認書類(コピー)
の3種類の書類が必要です。
番号確認書類と身元確認書類について
マイナンバーカードを既に持っている場合は、マイナンバーカードの両面コピーで番号確認書類と身元確認書類がクリアできます。
マイナンバーカードを持っていない場合は、用意する書類の数が増えますので注意しましょう。
- マイナンバー記載の住民票の写し(原本またはコピー)
- 顔写真付きの公的身分証明書のコピー(運転免許証、パスポートなど)
→持っていなければ健康保険証と年金手帳それぞれのコピーを両方
※他にも証明できる書類はありますが、健康保険証と年金手帳が比較的用意しやすいものですので取り上げました。
もしその2つの用意が難しければ、提出用書式の2ページめをご確認ください。
マイナンバー(個人番号)提出書の記入について
次は、提出用書式の3ページめに必要事項を記入していきます。
黒い太枠の中をすべて記入してください。
マイナンバーの提出手続きは、この「提出書」と、番号確認書類+身元確認書類を併せて郵送します。
必要書類を封筒に入れる
番号確認書類(コピー)を切り取って「マイナンバー(個人番号)提出書」の
「1.番号確認書類コピー貼付欄」※以下薄い黄色の枠内
に貼り付けます。
マイナンバー記載の住民票の写し(原本またはコピー)を提出する場合は、貼り付けずに封筒に同封するようにしましょう。
そして先程記入した「マイナンバー(個人番号)提出書」と、身元確認書類(コピー)を封筒に同封します。
マイナンバーカードで提出する場合は、番号確認書類の欄にマイナンバーが記載されている面のコピーを貼り付けて、顔写真の面はコピーを同封しましょう
書式の1ページめの上記の表で、1~4を確認してチェックを入れておきます。
ここまででマイナンバー提出用の書類準備が完了です。
お疲れ様です!
猶予願・チェックシートを記入する
猶予願の必要事項を記入していきます。
1ページめの上部に氏名や住所などを記入する欄があり、右上に奨学生番号も記入するので、奨学生番号がわかるものを用意しておきましょう。
第一種と第二種など複数の奨学生番号がある場合は、番号ごとの返還猶予申請となるので注意してください。
「複数の奨学生番号があるけど、今は返還を全て猶予してもらいたい」という場合は、
左上の『全ての奨学生番号について希望する』にチェックを入れて、全ての奨学生番号を右上に記入します。
次に申請内容について記入していきます。
希望猶予期間の左側について、「その月までは返還したい」という事情がなければ『できるだけ早い時期』にチェックを入れてください。
右側も「この月からは返還を再開したい」という事情がなければ『12か月』にチェックを入れます。
下部の申告欄は、両親やパートナーの扶養に入っているかどうかのチェックを入れます。
「猶予年限特例」に該当する場合はチェックが必要です。
該当するかどうかの確認方法は、裏面に『対象となっている方は、貸与を開始する際に交付された奨学生証にその旨記載されています』と載っています。
※該当しないとご自身でわかっている場合は、チェックは不要です。
事由の欄では、『経済困難』の□にチェックを入れます。
また、身分証として健康保険証を使用する場合は、国民健康保険ではないことを申告する必要がありますので『国民健康保険ではない』にチェックを入れてください。
特記事項は「条件を完全には満たしていないけど猶予を認めてもらいたい」などの場合に記入します。
例えば記入例として提示されているPDFには
『給与所得者で年間収入(税込)が300万円(給与所得以外の所得を含む場合は年間所得が200万円)を超える方で、「②裏面」記載の控除に該当する方、減収等の事情がある方は、その内容をご記入ください。』
と記載があります。
申請が通るかどうか不安なときは、事情を特記事項の欄に記入しておくと安心です。
マイナンバー提出をしない場合は収入が確認できる書類を添付
万が一「マイナンバーを提出することに抵抗がある」「事情があってマイナンバーを提出できない」という場合でも、返還猶予の申請は可能です。
日本学生支援機構のマイナンバーを取得する目的が、申告の収入額が確認できるようにしておくことですので、代わりに収入を証明できる書類を添付すればOKです。
実はマイナンバーでの確認ができるようになる前までは、毎年収入を証明できる書類を郵送して申請するシステムとなっていました。
マイナンバーを提出するほうが楽ではありますが、収入が証明できれば申請はできます。
不正な申請でなければ審査が不利になることもありませんので、安心してくださいね。
2回目以降の申請について
初回の申請が認められても、1年ごとに申請し直す必要があります。
しかしマイナンバー提出がすでに済んでいれば、2回目以降の申請は非常に楽になりますよ!
1年ごとの猶予、1年ごとの申請
奨学金の返還猶予は、一度の申請で12か月=1年間の猶予となっています。
したがって、何も申請しなければ翌年の同月から返還が再開してしまいます。
1年間で収入が急激に向上していたりすれば問題はないかもしれませんが、条件を満たしている限り数年は継続して返還を猶予してもらうほうが良いでしょう。
返還猶予制度を利用した人には、返還が再開する前に日本学生支援機構よりお手紙が届きます。
- 来月から返還が再開するお知らせ
- 返還額の詳細と口座の確認
- 再び返還猶予、もしくは減額返還を利用する人のための申請書類
という内容です。
うっかり申請を忘れてても、こちらの文書が届けば思い出しますのでかなり親切な設計です。
再度返還猶予を希望する場合は、届いた申請用の書類を使って手続きを進めていきます。
申請方法は猶予願を郵送するのみ
マイナンバーの提出が済んでいれば、2回目からは猶予願を郵送すれば申請完了です。
収入額は日本学生支援機構が提出したマイナンバーで確認できますので、収入を証明するために追加の書類を送る必要は基本的にありません。
※もし機構から提出を求められた場合は必ず提出しましょう!
収入が上がっていて条件を満たせていないという場合は、特記事項の欄に事情を詳細に記入すれば猶予を認めてもらえる可能性が高くなります。
「一年前のことだからどうやって書くのか忘れた!」
となりそうな場合は、このページをブックマークしておくと後から見返しやすいですよ!
年間収入が300万円以下なら申請し続けよう
いつまで返還を猶予してもらうか、というのは難しい問題ですが、一つの基準として
「年間収入が300万円以下なら申請をする」
ということを念頭に置くと良いと思います。
この収入額の基準は「贅沢をせずに生活をした上で奨学金を返還する」ということが難しいと考えられているからこそ設けられているはずです。
返還し続けることに少しでも不安を覚えるのであれば、そして年収が300万円以下なら返還猶予制度を利用していきましょう。
返還完了までの期間が伸びることが不安な場合は、間を取った減額返還制度の利用を検討してみても良いかもしれませんね。
まとめ
- 無断での延滞が無いか確認する
- 返還猶予の条件を満たしているか確認する
- 事由に合わせた添付書類を用意しておく
- マイナンバーの提出をする
- 必要書類を封筒に入れる
- 猶予願・チェックシートを記入する
※マイナンバー提出をしない場合は収入が確認できる書類を添付 - 1年ごとの猶予、1年ごとの申請
- 2回目以降の申請方法は猶予願を郵送するのみ
- 年間収入が300万円以下なら申請し続けよう
奨学金の返還猶予申請は、マイナンバーを提出するだけで劇的に楽になります!
翌年以降は猶予願を提出するだけで申請できますので、本記事を参考に申請してみましょう。
制度詳細と申請方法についてはこちら↓
また、奨学金の支払いが先送りできるなら休職したい、という場合にはこちらの記事がおすすめです↓
コメント
今まで事情と返還見通しの作文を要求されてましたが今年からなくなったんですね、これは申請がラクです。
コメントありがとうございます!
そうなんです、私自身も今年申請するとき「え?これで終わり?」と拍子抜けしたくらいでした。
もしかしたら今後また返還見通しの作文が復活するかもしれませんが、今のところはとても楽なシステムになりましたね!
こんにちは。
私も今申請しているので、勉強になりました!
ひとつお聞きしたいのですが、特記事項が特にない場合は何も書かずに提出していいのでしょうか?
(申請事由を選択してチェックするだけでいいのでしょうか?)
コメントありがとうございます!!
返信遅くなってしまい申し訳ありません、仰せの通り特記事項が特になければ何も書かなくても問題はありません。
もし不安な場合は、返還が難しい事情について簡単に書いておくと安心かもしれませんね。
とても参考になりました!
ありがとうございます!!
コメントありがとうございます!
そう言っていただけるととても励みになります!!